囲碁と将棋の七大タイトル
先日の第32期名人戦第5局や昨年の第31期名人戦第4局のように囲碁名人戦と将棋竜王戦で BS の放送が重なることがあります。
これは,将棋の七大タイトル将棋竜王戦と,囲碁の七大タイトル囲碁名人戦がほぼ同じ日程で開催されているからでしょう。囲碁本因坊戦と将棋名人戦の日程も近接していますが,放送が重なることは最近では無かったように思います。
囲碁と将棋の七大タイトルは,以下のとおり。将棋タイトルのみの「竜王」「王位」「棋王」「王将」。囲碁タイトルのみの「本因坊」「十段」「天元」「碁聖」。両者にあるのが「名人」「棋聖」「王座」です。以前は「十段」と言う将棋タイトルがあったそうですが「竜王」へと発展解消したので無くなりました。
各タイトルの序列は将棋と囲碁で若干違っていて,将棋では2日制七番勝負の棋戦が必ずしも序列が高いとは限らないようです。また,囲碁と将棋で同名タイトル戦も「王座」(日本経済新聞)以外は主催する新聞社が違っています。「棋聖」は囲碁が読売新聞社,将棋は産経新聞社。「名人」は囲碁が朝日新聞社,将棋は毎日・朝日の共催です。2006年に毎日新聞社から朝日新聞社へ将棋名人戦の主催を移管する騒動があり,最終的に両社の共催となりました。
将棋 | 開催時期 | 主催新聞社 | 関連事項 | |
---|---|---|---|---|
竜王 | 七番勝負 (2日制) | 10月~12月 | 読売新聞社 | 駒の竜王から命名された |
名人 | 七番勝負 (2日制) | 4月~6月 | 毎日新聞社・朝日新聞社 | 江戸時代以来,名人(将棋指しの家元制の第一人者が名乗った称号)は世襲制であったが一世名人制が廃止され,棋士のA級順位戦と連動する棋戦となった |
棋聖 | 五番勝負 (1日制) | 6月~7月 | 産業経済新聞社 | 将棋に抜群の才能を示す者への尊称 |
王位 | 七番勝負 (2日制) | 7月~8月 | 新聞三社連合 | |
王座 | 五番勝負 (1日制) | 9月~10月 | 日本経済新聞社 | |
棋王 | 五番勝負 (1日制) | 2月~3月 | 共同通信社 | |
王将 | 七番勝負 (2日制) | 1月~3月 | スポーツニッポン新聞社・毎日新聞社 | 駒の王将から命名された? |
囲碁 | 開催時期 | 主催新聞社 | 関連事項 | |
棋聖 | 七番勝負 (2日制) | 1月~3月 | 読売新聞社 | 囲碁の歴史の中で抜群の強さを発揮した棋士に与えられる尊称 |
名人 | 七番勝負 (2日制) | 9月~11月 | 朝日新聞社 | 江戸時代,幕府の家元制度の元で囲碁界を統括する立場として作られた地位 |
本因坊 | 七番勝負 (2日制) | 5月~7月 | 毎日新聞社 | 江戸時代,安井家・井上家・林家と並ぶ囲碁の家元四家のうちの一つで,昭和になって日本棋院に本因坊の名跡を譲り渡し,選手権制による棋戦が行われる事になった |
十段 | 五番勝負 (1日制) | 3月~4月 | 産業経済新聞社 | |
天元 | 五番勝負 (1日制) | 11月~12月 | 新聞三社連合 | 天元は碁盤の中心点の事 |
王座 | 五番勝負 (1日制) | 11月~12月 | 日本経済新聞社 | |
碁聖 | 五番勝負 (1日制) | 7月~8月 | 新聞囲碁連盟 | 囲碁の歴史の中で抜群の強さを発揮した三人の棋士(本因坊道策・本因坊丈和・本因坊秀策)に対する尊称 |
| 固定リンク
「趣味」カテゴリの記事
- 井山文裕本因坊への挑戦者決まる(2021.04.03)
- 第59期十段戦五番勝負 第4局(2021.04.20)
- 第45期棋聖戦七番勝負 第5局(2021.03.04)
- 第59期十段戦五番勝負 第3局(2021.04.08)
コメント